
治療内容

関節リウマチ治療
関節破壊の進行を最小限にし、日常生活の回復を目標とします。
疾患活動性をおさえる薬物治療を積極的に行ないます。
とくに診断では初期の関節リウマチの早期発見、早期治療を心がけています。
また、変形が起きている関節には、装具療法や局所注射で対応しつつ、膝や股関節だけでなく、手関節や肘関節、指関節にも関節形成術や人工関節を使用することで、機能と整容を取り戻すことも可能です。
関節の変形が発生してもあきらめずにご相談ください。


当院では関節リウマチの治療目標を早期発見と早期治療にしております。
これは、近年の抗リウマチ薬によって、関節リウマチの症状が、改善、消失する寛解と呼ばれる状態を達成できるからです。
関節腫脹の継続は、ゆるんだ関節の異常な動きによって軟骨がけずられ、関節変形やそれに伴う疼痛といった後遺症となります。そのため、当院ではメトトレキサート(MTX)を中心とした薬物療法によって、関節破壊を抑制します。
それでも腫脹が残る場合には、生物学的製剤の投与により、患者さまの関節機能の維持と日常生活の回復を目指します。
さらに、条件が整えば生物学的製剤を中止しても症状の寛解が維持できている方も多くいらっしゃいます。
薬物治療は早い方が痛みも早く軽減でき、関節破壊も最小限に食い止められます。
手指の変形や痛み、手関節の労作時痛は、患者さま本人しかわからないつらさがあります。
機能的にも整容的にも健やかな状況を維持したいものです。
【関節リウマチ専門医でできること】
関節リウマチの早期診断、薬物治療(生物学的製剤を含む)、リハビリテーション、保存療法、手術治療(肘関節、手関節、指関節、股関節、膝関節、足関節、外反母指など)
治療方針については、関節リウマチの投薬・手術経験の豊富な手外科専門医・指導医の谷野院長に御相談ください。

肘のスポーツ障害
肘関節の障害は、野球や投てきスポーツなどで多く発生しますが、剣道やバスケット、ハンドボール、テニス、バトミントンなどラケットや手具を用いるスポーツ全般で注意が必要です。
とくに肘関節の障害部位には内側、外側、後方があります。


1.内側
成長期には、上腕骨内側上顆の骨端線障害、内側側副靭帯損傷があります。
野球のみならずテニスなどのラケットスポーツでも発生しますので
痛みが出ている場合にはより早期の判断が重要です。
成人になると、やはり内側側副靭帯損傷、使い過ぎによる骨棘障害による可動域制限、尺骨神経領域のしびれも発生します。
2.外側
成長期には上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(OCD)の発生が注意が必要です。野球肘の名前で有名ですが「まだ投げられるから大丈夫」ではありません。
軟骨下骨が過度の負担で損傷をうけます。外観だけでは全くわかりませんので、適切な早期の診断がスポーツ復帰には必要です。
野球肘は予防と早期診断が早期競技復帰に有利です。「故障する前に予防する」これに尽きます。
残念ながら故障が判明した場合には、院長の専門分野であるスポーツ肘の知識を活かして、手術も含めたより良い治療方針を提供致します。
成人になるとテニス肘と呼ばれる上腕骨外側上顆炎、その近傍にある滑膜ひだ損傷も考えなくてはいけません。
一般労働者でもよく見られる病態です。適切な保存療法を指導いたします。
難治側には関節鏡を用いた手術を提供いたします。
3.後方
成長期には、肘頭疲労骨折があります。
これも「いつか治るかな」ではすみません。
スポーツにおいて投球動作だけでなく、肘関節屈伸の繰り返し動作で発生する可能性は十分あります。
成人では、使い過ぎによる骨棘障害による伸展制限があり、
内側の障害と併せて手術が必要になる方もいます。

スポーツは多くの年代に愛され、学生スポーツ、青壮年では生活の広がりを創造します。
スポーツでの肘関節の痛みは、早期の診断と正しい知識による確実な配慮が、けがの予防と安定した競技レベルの維持、故障時の早期復帰へとつながります。
【手の外科専門医がよく診る病気・症状】
ばね指、ドケルバン病などの各種腱鞘炎、手根管症候群、肘部管症候群、ギヨン管症候群などの各種手指のしびれ、つき指、指骨折、指や肘の側副靭帯損傷、橈骨遠位端骨折、TFCC損傷など各種外傷、骨折後変形治癒、変形性肘関節症、肘関節骨折後などの治療、先天性の多指症、合指症の治療、手指人工関節置換術、へバーデン結節治療
治療方針については、多くの野球肘の保存療法、手術療法を治療、修復している肘外科指導医の谷野院長にご相談ください。

TFCC損傷
手首の小指側(手関節尺側)に存在する軟骨と靱帯からなるクッションの役割をしている部分が三角線維軟骨複合体(TFCC:Triangular Fibrocartilage Complex)です。
ここの部分にスポーツや日常生活動作または交通事故などによって、手関節をひねったり、手をついて体重がかかった時に発生します。ラケットスポーツのストローク、ゴルフスイングなどの繰り返しによってもTFCC損傷は発症します。そして、加齢によって損傷することもあります。



TFCC損傷の症状は手関節尺側に痛みが出現しますが、動かす時だけ痛いことがほとんどです。手首内に発生するクリック音や重症化した場合には、手をひねる初動時に「手が抜けるような感じ(slack)」を自覚することが多いです。
診断は、「手関節尺側部の痛み」と「手関節労作時の不安定感」を評価して決めます。
女性の場合は関節が緩いことも多く、痛みのある関節と反対側の関節とを常に比較して評価します。腱鞘炎や過去のけがによる靭帯のゆるみ、尺骨が橈骨よりも長い状況の尺骨突き上げ症候群の有無は本疾患の発生、症状の原因として確認が必要です。レントゲンで橈骨と尺骨の長さと関係を確認し、最終診断としてMRIや関節造影を行います。
治療として、けがをした初期には、固定や手関節の動きを制限させるサポーターを用いて症状の改善を待ちます。時には局所麻酔剤入りのステロイド剤を注射する場合もあります。保存療法を行い、症状が3カ月近く続く場合、関節鏡を併用したTFCC修復術や尺骨突き上げ症候群が存在する場合はこの骨を短縮する手術を行います。受傷からの時間経過が長くTFCCの修復困難な場合には、靱帯再建術となります。
治療方針については、術式の組み合わせを検討する必要がありますので、TFCC損傷の手術治療経験のある手外科専門医に御相談することが大切です。当院では本手術の経験豊富な谷野院長が関節鏡を用いた修復手術治療を行います。

母指CM関節症
母指の付け根が痛い場合に多い疾病の一つです。母指CM関節は指のつけねにある関節です。物を握る、把持する、つまむ、ねじるといった人間特有の動きに重要な関節です。この関節が軟骨の摩耗や過去のけがにより経年的な劣化を生じて、異常可動性が続くことによって変形が発生します。よくある症状は、痛みのために「ペットボトルのフタが開けにくい」「洗濯ばさみが使いにくい」「ボタンを留めにくい」「ズボンをひき上げ下げするのがやりにくい」などが多いです。しびれのように一定時間症状があるというよりも、指を使うときだけ痛い方が多いのもヒントとなります。
診断は、先ほどの生活動作の不具合とともに指を軸圧に押し付けて痛みの発生の有無があるのか、異常可動性があるのかで推察します。レントゲン画像では関節自体の変形や亜脱臼、骨棘の存在など特徴的なものがあり、診断自体は比較的容易です。別の関節の痛みや腱鞘炎と間違えないように注意が必要です。
治療は、まずは局所の安静、消炎鎮痛剤の内服、湿布、外用薬の使用です。特に固定装具の使用は、関節への過度の負荷を減じることで効果があります。医療機関では、これに加えて物理療法や消炎鎮痛薬の関節内注射薬での治療も可能です。治療がうまくいくと、1,2か月で改善傾向になります。しかしながら、3か月経過して改善傾向がない場合は、手術治療の方法もあります。手術の利点は疼痛が改善、消失することが多いことです。
関節固定や関節形成術とともに内視鏡支援下での手術も盛んになっています。いずれの方法も当院では患者さんとご相談しながら手術方法の選択をさせていただきます。

手指の腱鞘炎の特徴と症状
腱鞘炎とは、腱と腱鞘の間に炎症が起きる病気です。腱は腱鞘の中を通って指を曲げたり伸ばしたりする際に必要な部位です。
症状は初期段階では違和感や不快感、一瞬の痛みがあります。進行すると指を曲げたり伸ばしたりする動きが困難になり、日常生活に支障をきたすこともあります。
手指の腱鞘炎の治療法
-
安静: 症状がある場所に負担をかけずに安静に過ごすことが大切です。
-
ストレッチ: 症状が軽減したら手指を意図的に反対側の手で伸展させることで、指の柔軟性、腱の滑走性を保つことが重要です。
-
病院での治療: 改善が見られない場合は、ステロイド注射を腱鞘内に投与して炎症を抑えることもあります。並行して、運動療法リハビリにて具体的な手指の使い方を指導します。
-
手術:1から3の治療で改善が得られない場合、来院時にすでに関節拘縮、屈筋腱同士の癒着がある場合は手術が必要になる場合もあります。
手術方法には以下の2つがあります
1.腱鞘切開術:
-
通常の皮膚を切開して行う手術です。
-
局所麻酔を行い、腱鞘の直上の皮膚を数センチ切開します。
-
切開した箇所から原因となっている腱鞘を探し、指の両側にある動脈や神経を傷付けないように手術を行います。
-
抜糸は10日前後で行われますが、軽度の作業はすぐに行えます。
-
費用は症状によって異なり、健康保険の3割負担で2万円前後です。
2.内視鏡を使った手術:
-
内視鏡を使って行う手術です。
-
局所麻酔を行い、皮膚を数ミリ切開し、内視鏡の管を挿入します。
-
管の中にメスを入れて炎症を起こしている腱鞘を切除します。
-
費用は施設によって異なり、健康保険の3割負担で約2万5000円くらいです。施設によっては自費診療で行っているクリニックもあります。
-
関節の曲がりにくい方、指の曲げ伸ばしの分離が不自由な方など症状の重度の場合は内視鏡による手術は行えません。
3.屈筋腱部分切除術
ばね指がひどくなると、腱鞘だけでなく、腱自体も太くなりさらに動きにくくなります。
それに伴って第二関節の動きも悪くなります。
通常の腱鞘切開術では改善しないことがあるため、腱鞘の中を通る腱を部分的に切除します。
第二関節を曲げる浅指屈筋腱を部分的に切除します。
残りはつながっていますので、手術後の指の動きには問題ありません。
終わりに
ばね指の手術は、腱鞘を切開することで多くは改善する手術です。
しかしながら、第2関節に動きの制限がある症例では、腱の癒着による滑走障害や関節拘縮が合併している場合もあるため、基本的な腱鞘切開手術だけでは愁訴が残る場合もあります。初回の腱鞘切開術を検討する上で、腱の癒着や可動域可動域制限の存在の有無を確認する事が再手術を含めばね指に対する手術成績向上につながります。
手指の動きは、指の伸筋腱、屈筋腱などがそれぞれバランスよく動くことで滑らかに動くため、安易な手術は思わぬ合併症を招く恐れがあります。
患者様の症状に合わせて対応できる、手の構造と機能を熟知した、手外科専門医と治療方針をご相談ください。

夏バテ治療
【夏バテ】の自覚症状
代表的なものは全身の疲労感・体のだるさ・食欲不振です。他にも熱っぽさ・立ちくらみ・下痢などの症状が出ることもあります。それ以外にも、頭痛、めまい、首や肩のこり、寝つきが悪い、気分の落ち込み、やる気が出ないなどといった症状が現れます。放置していると不調が積み重なり、秋まで不調が続くことにもなりかねません。
特に幼児や高齢者は体の維持機能に不具合が発生しやすいため、脱水症状や熱中症を併発・発症しやすいため、早めの対応が欠かせません。
【夏バテ】の原因
一般成人では、高温多湿な日本の気候と、自律神経の乱れが大きな原因です。
30℃以上の猛暑と高湿度の日々が続くために汗をかくことでナトリウムやミネラルなどの栄養素が失われてしまいます。また湿度が高いためにその汗自体も蒸発しにくいため、体温調整もスムーズにいきません。
その結果体力が消耗して夏バテの状態になってしまいます。加えて、自律神経の乱れによる夏バテも増加傾向です。仕事での涼しい室内に一日中過ごしていると暑い屋外の温度差で自律神経が乱れ、夜間に休息をとっても完全に回復することができず、夏バテの症状につながります。
慢性的に運動不足・睡眠不足の状態が続いている人も注意が必要です。
運動不足は、筋力はもちろんそのほかの体の機能も低下します。特に筋肉量が減少して来ると体温調整機能も低下するため、夏場の室温と外気温の差に耐えられません。
体は体温調整にかなりのエネルギーを消耗するため、体力低下や体調不良を起こしやすくなります。
また、睡眠不足は体力回復のチヤンスを失います。夏は1年の中でも最も体力を消耗しやすい季節ですから、翌日の活動に備えて十分な休息を取る必要があります。
【夏バテ】と脱水症・熱中症との違い
脱水症・熱中症とは特に間違いやすいので注意してください。脱水症の初期の症状は全身のだるさ・食欲不振などで、夏バテに似ています。
ただし「ただの夏バテ」と放置すれば症状が進行し、呼吸困難や意識障害などを引き起こす可能性があり危険です。近年では日常的に体内の水分が不足している状態の「かくれ脱水」も問題になっています。これは熱中症にもつながる症状です。
熱中症は徐々に進行する夏バテとは異なり、急激に体調が悪くなります。また気分の落ち込みなどの精神的な症状をともなう場合、うつ病の疑いがあることも覚えておいてください。
特に夏場に現れるうつ症状は「夏季うつ病」とも呼ばれます。悪化すれば生活に支障をきたすこともあるため、早めにかかりつけ医に相談しましょう。
【夏バテ】の治療
脱水症状の解消・栄養補給・生活指導が大きな柱となります。
即効性が必要な場合、点滴で不足したビタミン・補酵素・ミネラル分などを補給します。
とくに炭水化物を効率よくエネルギーに変えるビタミンB1が効果的だといわれています。
そして最も重要なのは、夏バテを繰り返さないための生活習慣の改善です。食事・睡眠・運動などの観点から総合的に指導を行います。
当院では患者さんのライフスタイルを考慮した治療・生活指導を提案しながら、患者さんと一緒に【夏バテ】改善を目指します。
自分でできる【夏バテ】対処法
●入浴、マッサージで体を温める
自律神経に優しい適切な湯温は38度から40度で10分から15分のんびり入浴してあげましょう。
サウナで体を温めるという方法が有効かどうかは、人によります。高温から冷水などで自律神経の刺激を与えますが、疲れ気味の体では、合わない可能性があります。
無理をしないようにしましょう。
また、マッサージをするなら、様々な神経やツボが集まっている耳がおすすめです。痛くない程度の力で引っ張ったり回したりすると、リンパや血液の流れを促し、頭痛の解消や自律神経を整えるのに役立ちます。
●食事の内容に気をつける
夏は、栄養バランスのよい食事を心がけながら、不足しがちな水分やミネラル、体をつくるタンパク質、疲労回復に役立つビタミンなどの摂取も意識しましょう。水分摂取においては、10度ぐらいの温度が、胃腸にも優しく、適温です。
胃腸の不調を感じている場合は、刺激の強い食べ物は控え、消化によいものを食べたり食事の量を減らしたりして、胃腸を休めるとよいでしょう。
●心身を休める
睡眠などで心身を休めると、疲労がリセットされ、ストレスも軽減できます。日中もできる手軽な方法に深呼吸があります。深い呼吸を意識して行うと、副交感神経の働きが活発になり、自律神経が整いやすくなります。息をゆっくりしっかりはくことを意識しましょう。
●水分を摂取する
人間の体は寝ている時も汗をかき、水分を失っています。体内の水分不足はだるさや頭痛などの原因になるので、水分はこまめに摂るようにしましょう。体液には一定の塩分が必要なので、水分を摂取する場合は汗で失われる塩分も一緒に摂ってください。なお、利尿作用や血管の収縮・拡張作用があるカフェインやアルコールは、水分の代わりではありませんので注意が必要です。
●市販の胃腸薬や頭痛薬を活用する
胃腸の調子が悪い時や頭痛がある時は、無理をせず、市販の胃腸薬や整腸薬、頭痛薬の力を借りましょう。ただし、頭痛薬の過剰摂取は「薬物乱用頭痛」を招く恐れがあります。月に10回以上市販薬をのんでいる・効果が感じられない方ははやめに医療機関を受診しましょう。
●医師に相談する
朝から体調が優れず、日常生活に支障を来している場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。医師が症状を確認し、適切な治療を受けることができます。
●夏バテ対策に暑熱順化に取り組む
暑熱順化とは、暑さに体が慣れること。暑くなるのに合わせて、汗をかきやすく熱を逃しやすい体をつくっていきましょう。
<暑熱順化の方法>
・週に3、4回、涼しい時間帯にウォーキングなど軽い有酸素運動を30分程度行い、汗をかきやすい体をつくる。運動するのが難しい場合は、代わりに38~40℃位のお湯に10~15分間、首までしっかり、ゆっくり、ゆったりとつかってください。
●質の高い睡眠で夏バテ対策
質の高い睡眠は疲労回復や自律神経の調整に不可欠です。
大切なのは入眠からの90分。その間に深く眠れるように次の5つのコツを参考に生活習慣を見直し、6時間以上を目安に十分な睡眠時間を確保しましょう。
<質の高い睡眠を叶えるコツ>
・神経を刺激するスマートフォンなどの電子機器は、就寝の30分~1時間前から触らず、ベッドに持ち込まない。
・就寝中は体の冷えに気づきにくいもの。そのため、寝具などを活用し、就寝中の体にエアコンや扇風機の風を直接当てないようにする。また、寝具は気温や湿度に合わせた物を使い、寝心地のよい環境を整えておく。寝ている間に疲労回復を促すリカバリーウェアを活用してもよい。
・太陽の光を浴びて活動すると、眠気を招くメラトニンに変化するセロトニンの分泌が促される。セロトニンは分泌から約13時間後にメラトニンに変化するため、午前中の活動がおすすめ。
・38~40℃程度のお湯での全身浴を就寝の1時間半から2時間前までに済ませると、内臓など体の深い部分の体温(深部体温)が下がるのと共に寝つきやすくなる。
・就寝前のストレッチで深部体温を上げるのもよい。
●疲労回復や腸内環境を整える栄養素・食品を積極的に摂る
夏バテ対策には栄養バランスのよい食事を心がけた上で、疲労回復に役立つビタミンや、腸内環境を整える発酵食品を意識的に摂るとよいでしょう。食事では十分に摂取できない場合は、サプリメントやドリンク剤も補助として活用してみてください。ただし、肝機能にトラブルがある場合などはサプリメントの摂取に注意が必要な場合もあります。持病のある人は事前に医師や薬剤師に相談しましょう。
<ビタミンB群>
・ビタミンB1……筋肉や心臓、脳のエネルギー源となる糖質を代謝するのを助け、疲れやだるさの予防・回復に必要。
・ビタミンB6・ビタミンB12……神経の働きに関与し、ストレスをケアして心を落ち着かせたり、肩こりなどを緩和させたりする。
<ビタミンC>
ストレスへの対処のために分泌される「抗ストレスホルモン」の生成に使われる。
<クエン酸>
体内の疲労物質の分解を促進したり、ミネラルの吸収や新陳代謝を高めたりする。酸味が食欲増進につながることも。
<タンパク質>
筋肉や神経伝達物質、ホルモンなどの原料になる。不足すると筋肉量が落ち、代謝や体力が低下する。
